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Dive to learn #1~For Product Mgr~ 「レガシーな業界での新規事業・スタートアップの戦い方 前編」

登壇者 f:id:kana_peko:20181112142817p:plain

スタディプラス株式会社  取締役COO 宮坂直(写真右)

新卒で株式会社リブセンスに入社。内定者アルバイト時代に「転職会議」事業を立ち上げ、転職会議事業の責任者として、同社の中心事業に育てる。その後、株式会社カカクコムに転職し、食べログ本部にてネット予約・予約台帳事業責任者として事業を牽引。スタディプラス株式会社では、Studyplus、Studyplus for School、新規事業を統括。

セッション2 宮坂直「レガシーな業界での新規事業・スタートアップの戦い方」

まず、自己紹介ですね。 僕は大学生時代に予備校の教師を4年間くらいやっていまして、その後リブセンスという会社で転職会議という会社の口コミサイトの責任者をやったり、カカクコムに転職して飲食店のネット予約サービスの責任者をやったりしていました。 スタディプラスには去年の3月に入社しまして、BtoB事業「Studyplus for School」を立ち上げから約1年半携わっています。

Studyplus for Schoolについて

Studyplusというサービスは、先ほど島田がご説明したようなBtoCの学習管理アプリなんですけど、これをBtoBで使えないかということでStudyplus for School事業を立ち上げました。

よくよく考えてみると、BtoCのサービスがBtoBに派生することは少なくないかなと。 例えば…Google DocsもBtoCで始まったはずですよね。Amazonも法人向けサービスを始めたり、FacebookもユーザーにそのままWorkplace by Facebookというサービスを始めていますね。

BtoBに特化したUIだとトレーニングコストがかかるんですけど、BtoCで一般ユーザーが使いやすいように設計されたUIであれば、トレーニング要らずで使い始めることが出来ます。 コンシューマライゼーションというのですが、Studyplus for Schoolも同じような考えで事業を立ち上げました。 f:id:kana_peko:20190110151409j:plain

レガシーで潜在市場である「教育」

本日のテーマとしては、レガシーな業界における新規事業。 教育業界はレガシー業界であり、潜在市場なんです。 顕在市場であれば、プロダクトと営業があって、サービスインして一気に立ち上げが跳ね上がるというようなケースもあるでしょうが、残念ながらStudyplus for Schoolが関わっている領域はですね、まだマーケットもホットでない潜在市場です。 まず整理しておきたいのは、BtoBつまり企業向けの業務支援について。 僕たちは、塾・学校の業務支援がターゲットなのですが、業界と業務がポイントだと考えています。 具体的には、その業界は他業界に取って代わられる可能性があるのか、これから支援しようとしている業務は、すでにあるのか、もしくは無いのか。

例えば、人事労務業務支援サービス。 人事労務ってどの会社どの業界も必要ですよね、ITリテラシーの高い業界や企業から当たっていくと効率が良さそうですね。人事労務業務はすでにあって、必ず誰かがやらないといけない業務でもありますね。

Studyplus for Schoolの環境

Studyplus for Schoolは、まず業界が学習塾・学校をはじめとした教育業界に絞られます。 業務としては、生徒の学習管理を支援対象にしているのですが、学習管理って塾が当たり前にやっているかっていったら‥‥塾に通っていた方が思い出してみて欲しいんですけど、そうではないと思うんですよね。

ほとんどの場合は学期に1回面談があって、どのコースを取る?というような面談。学習管理が、塾や学校で活発に行われているかというと、そうではないです。 つまり、業務支援サービスを大きくするには、厳しい状況であるとーStudyplus for Schoolはそんな中で頑張っているとお考え下さい。

こういう事例って結構皆さんの近くにも散らばってるんじゃないかなと思っていて、そういう困難な状況で、我々はどう工夫しているかをお伝えできればと思います。 f:id:kana_peko:20190110151530j:plain

大手集団塾向けサービスとして生まれたStudyplus for School

まず、Studyplus for Schoolが生まれてから今までを、ご説明できればなと思います。 僕が2017年の3月に入社したので、それよりも1年近く前にStudyplus for Schoolは誕生しています。 もともとは、某大手の集団指導塾と共同開発するという方向だったんですよね。

結果、つまり私が入社したその1年後どういう状態になっていたかというと、だいぶ苦しい状況でした。その某大手集団指導塾以外の顧客の獲得に躓いていました。

製品に期待する価値が、大手法人と中小法人だと全然違います。 大手予備校と中小塾の規模だと全然違うというのと、あと大手法人と一言で言っても集団指導と個別指導って全く違うんですね、オペレーションが。 大手法人で集団指導って‥‥そもそも少ないですよね。 なので、ごく少数にしか売れない商品が誕生してしまったということは、事の発端です。

製品の検証をしようと思っていても、大手法人さんだと規模がでかいので、なかなか検証が進まない。 トップダウンで納入頂いたんですけど、現場の方まで一緒に巻き込んで検証をぐいぐいやっていって、プロダクトをどんどん改善しようっていうのがスタートアップのあるべき姿だと思うんですけど、それができませんでした。

かつ組織が昨日部制になっていて、開発部・企画部・営業部っていう3つの部門が、先ほどご説明したStudyplusのと並行して進めていました。何が起きたかというと、製品が売れないとなっても「営業が問題なんじゃないか」って開発側は言う、営業は「商品がまずいんだ」と言う…責任の所在すら曖昧なまま1年間経ってしまっていました。

まずやったことは事業部制への変更、次に営業活動の停止

入社して、まず手始めにやったことは、機能部制から事業部制への変更。 Studyplus for Schoolに集中する事業部を作るため、エンジニアも営業も企画も同じ部署にして、営業から製品まで事業部内で意識決定できるようにしました。

次にやったことは、営業活動を止めました。 それまでは結構問い合わせ対応をしたり、アウトバンドやDMなどで営業活動していたんですけど、どうやっても大手の集団指導にしか売れない商品になってしまったので、これはもう意味がないと結論付けました。

やればやるだけ赤字になるだけなので、無駄なコストは払いたくない、ということで営業活動をやめました。 その代わり、まずはリニューアルに注力することにしました。

## リニューアルに向けたファーストステップ、一ヶ月でリニューアル方針を決定 Studyplus for Schoolのリニューアルでまず最初に取り組んだことは、プロトタイプを1週間でProttで作りました。 それを当時の営業のメンバーに「このプロトタイプで色んな塾に営業してみよう」という風にインタビューしました。

その後、Cacooを使って、パラパラ漫画になるように100枚作りました。 それを学習塾の先生方にお見せしたら、もうできてるじゃないですかみたいな話になっちゃって…いやできてないです、仮です、みたいなやりとりもありました。

結果としては、NPSという「この製品を顧客に紹介したい度合い」を10段階で測る指標は、結構良かったです。10社中6社がNPS8以上。 では、このままリニューアルしよう、と意思決定できたのが僕の入社の最初の一ヶ月でした。

最初の学び

ここでの学びは、組織としては新規事業は機能部制より事業部制が適していると実感したこと、最初に僕らは参入するゾーンを間違えてしまったがために、学習速度が全く得られな買ったのは失敗だったなということです。

あとは、最初にどういうお客さんと付き合うかってすごい大事だと思うんですよね。一緒に学習していける顧客が大事だと思うので。 さっきのNPS8以上っていうのも、あちらから問い合わせを受けて僕らのリードになっていたお客様だったので、ある程度僕らに対しての学習管理しようとか、僕らに対してのモチベーションがあるお客さんだったので、検証してよかったです。

プロダクトを無料で配って検証しよう、という気持ちも分かるんですが…。 無料って、お客様の覚悟が問われないので、あまりモチベーションが高くないお客様も巻き込んでしまうんですよね。僕らは最初から有料でやろうとしたんですけど、それはよかったかなと思っています。 この時期はプロトタイピングだけやっていて、できるだけ開発しないというか、一切開発せずに「これやったらあなた契約できるんですよね?申し込んでくれるんですよね?と確約を取っていきました。

ビジネス開発に集中した3ヵ月

1カ月後ですね、リニューアルの開発期間を見積もったところ、3ヵ月らいかかるということになりました。 逆に言えば、ビジネス開発に3カ月集中できるんだと思いました。

当時、私と営業メンバーで2人いたので、開発を指くわえて待つわけにいかない。 じゃあ、この間にできること全部検証していこうという期間でしたが、この3カ月は後々振り返るとすごい貴重な3カ月でした。

まず、事業計画やシナリオ作りました。 NPSが高かったので、コールセンターを考えたり…一気に規模を拡大してって引いて営業ッ活動に注力すれば、売り上げが伸びるかなと思ったんですよね。 営業1人辺り10社獲得できる、という見込みで計画作ってみよう、じゃあ実際にそれができるかどうかっていうのをプロトタイプでやったんですね。

当時の営業メンバー的には「できてないのに売るんですか?」と。 もう出来てると思って本気で営業しようという意気込みで、申込書まで作っていました。

あと、どういう法人と相性が良いのかを知るため、色んなジャンルのお客さんにぶつかりました。 これがうちの営業メンバー1人で検証できれば、一気にスケールしようと。 コールセンターの見積もりまで全部終わらせていて、もうこれでいつでもアクセル踏めるぞという感じだったんですね。

※後編に続く