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Dive to learn #1~For Product Mgr~ 「プロダクトリニューアルでPMが見失いがちな2つの視点 後編」

【[ プロダクトリニューアルでPMが見失いがちな2つの視点 前編]】

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スタディプラス株式会社 Studyplus企画部長 島田豊(写真左)

ライター、編集者を経てKLab株式会社に広報として入社。新規事業の立ち上げ責任者を務めた後、マーケティング部を立ち上げて部長に就任。その後、株式会社DonutsにてWebメディアの事業責任者として、既存メディアの運営と新規メディアの立ち上げを行う。スタディプラス株式会社では企画部長としてサービスの運営・改善に従事。

セッション1 島田豊 「サービスのリニューアルを通じて見えたこと」

施策は大失敗、そこから見えた真のユーザー像とは

・・・けど、これ、大失敗でした。 翌月のDAUが12%ダウンで、3カ月後にマイナス40%・・・めちゃくちゃ急落してしまいました。 アプリを愛用してくれていたコアユーザーが離れてしまいました。 なので、数字を見てすぐに挽回しないといけないというところで、第3弾、まぁ2.5くらいですかね、またリニューアルを企画しました。

なんでこうなっちゃったのかなーと…。 仮説として出てきたことは、そもそもユーザーはファッションなんて求めていなかった、ジャンルとして手を出すべきじゃなかったということです。 もう一つの仮説は、ファッションは別にいいんだけどコンテンツが問題だったということ。 自分たちのメディアで出していたコンテンツは、ユーザー的にはファッションコンテンツじゃなかったというのが仮説としてありました。

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ユーザー像の見直しから見えてきたこと

僕らが「原因はこれだ」と考えたのは後者の方で、つまりユーザーの思考にちゃんと合わせたコンテンツが作れていなかったんじゃないかと。

というのは、割と「僕らがこうしたい」ありきで進めてしまったので、ユーザーの調査やペルソナ設定みたいなところをないがしろにしていた部分がありました。 そこで、改めて閲覧データを分析し、ユーザーアンケートをとって、ユーザーがどんなコンテンツを求めているのかを再度検証しました。

見えてきたのは、元々のユーザーは割と他者効果を重視するタイプだったと。 自分のファッションを決める時に、「自分がこれを着たい」から決めるんじゃなくて、「人からどう見られているか」を重視するような人物像ですね。 にも関わらず、リニューアル後に提示したコンテンツは自己表現寄り。 「好きな服を着ようぜ」みたいな感じだったので、ユーザー像大きく乖離していて、前か使ってくれていたユーザーは離脱して行っちゃったと。

ということでもう一回ポジショニング取り直すと、割と他者評価を重視する子で、かつトレンドも好きな子みたいなところが、新しいユーザー層としては適切なんじゃないかというところで見直しをしました。 例えば、周りから浮きたくないという気持ちが強く、、割とノーマルで外れないみたいなところを狙うようにしました。 普通が知りたくて、普通がこうだから私も大丈夫というように安心したかったり、普通よりちょっと上みたいなポジションを取りたいという考えですね。 できればその中でひと注目浴びたいとか、流行りものをいち早くゲットしたい、ということを+αとして考えているようなユーザーですね。

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コンテンツ戦略の見直し

ここで再度一回コンテンツ戦略を見直して、ダサくなくて安心できるようなファッションコンテンツを作りました。 ダサくない=かわいい、安心できる=流行している、ですね。

見せ方も割とエッジーな方向に行ってしまっていたのですが、当時インスタが流行ってきていたこともあり、インスタで可愛いとされているような世界観ー具体的には、パステルカラー・ふんわり感・フィルター感があるようなものにしました。

重要キーワードとして、ダサくない、安心できる=かわいい、流行っている。 周りから浮いたり悪目立ちするというのは絶対NG。時代に流されない個性みたいなところも、ですね。 世界観としても、インスタ映えするようなふんわりとした世界観というところを狙って再設計していきました。 ぱっと見そんなに変わっていない気もするんですけど、色味とか実は結構違ったりとか。 あとあまりこだわった見せ方をせずに、オーソドックスな見せ方に戻しました。

再々リニューアル、課題設定と解決方法がキモ

結果どうだったかっていうと、そこまで急浮上じゃないですけど、半年くらいかけてなんとかリニューアル前の水準まで戻すことができました。

一部ユーザーはカムバックしてくれましたね。 あと新しいユーザーも入ってきて、なんとか元に戻せたというところでした。 反省としては、第2回目のリニューアルでは、仮説・課題をプロダクト都合というか、「僕らがこういう風になりたいからこうしたい」というところに行き過ぎてしまった。

マネタイズをもっと強化したいとか、ユーザー数を広げたいとか。 誰に対してどんな価値があるコンテンツなのかを、ないがしろにしすぎたというところが圧倒的に反省だなというところが、得たものでした。

そもそも課題設定が適切なのか、その課題を解決したら差別は改善するというのもちゃんと自問自答していく、メンバーの中でも答えていくということが重要だなと。 あとは解決方法として適切か、メディアでいうとコンテンツだと思うんですけど、誰が得するのか、誰に価値があるのかというのを考えていこうと。 ユーザーをちゃんと知って、そのユーザーに向けてやっていこうと。 ここが前職のリニューアルから学んだことでした。

スタディプラス入社後

ここで現職に話を移します。 2018年4月にスタディプラスに転職してきて、今またリニューアルをしようとしております。 そのかいつまんだところをご紹介したいんですけど、Studyplusというのは自分で勉強時間を記録して使っていくようなサービスなので学習意欲は高いです。

利用意図としても、勉強を習慣化したい、勉強を継続したいというニーズが高いです。 用途としては勉強時間を記録して、その記録をベースに友達と刺激し合い、コミュニケーションを取るというのが使い方としてあります。

スタディプラスの提供価値は、勉強を記録するだけじゃなくて、記録を介して友達同士でコミュニケーションが生まれるというところに価値があると。 この体験を強化することで、定着率・継続率をもうちょっと上げていけるんじゃないかなというのが仮説として立てていることです。 サービス動画

Studyplusユーザーの検証、「コミュニケーション」の価値とは?

ただ、実際にユーザーはどんな機能を使っているの?というのが分かっていなかったので、検証しました。 勉強の記録自体はほとんどのユーザーがつけていたのですが、人の記録に「いいね」リアクションをするユーザーは、少ないです。

人の記録にコメントを付けているユーザーも少ないですね。 なので、期待ほどはコミュニケーションが使われていないなというのが調べた感想です。 ここで疑問が生まれたのが、記録を介して友達同士でコミュニケーションが生まれることに価値があるということ。 本当にこれ価値があるのかな?と、この点も検証しました。

まず、継続率・定着率を新規ユーザーと既存ユーザーで比べました。、圧倒的に新規ユーザーも既存ユーザーもSNS活用してくれている子の方が長く続いている率が高い。

ユーザーアンケートを取ると、コアユーザーはコミュニケーション機能を活用してくれていて、それで勉強が継続できるようになった、やる気が出てきたということで、最終的に志望の大学に合格したということが分かりました。 なので、SNSを使うことでスタディプラスの価値が最大化するというのは間違いないと結論付けました。

ただ、多くのユーザーはまだSNSを活用できていなくて、ヘビーに活用してくれている人は一部。 ただ、その子達は勉強を継続できていることが分かったので、課題としては勉強記録をつけてSNSを活用するまでをワンセットでちゃんと利用してもらえるようにサービスの提供価値っていうのを見直していく必要があるなということが課題として上がりました。 なので、この部分をもっと強化できるように今リニューアルに取り組んでいる真っ最中です。 f:id:kana_peko:20190110150839j:plain

まとめ~課題設定・解決方法と、仮説・検証~

前職での失敗・学びを照らし合わせていくと、最初の課題は適切なのか、解決するとサービス価値が改善する課題なのかということについてですが、そもそもボトルネックになっている機能や箇所を調べれば明確化できるので、アプローチの仕方を間違えなければ、課題を解決することでユーザーに適した価値が与えられます。

一方で解決方法が適切かというと、サービスのコアな体験とか価値を提供する・強化する解決方法なので、今、Studyplusを使っているのに本質的な価値を享受できていないユーザーにとっては利用価値が高まるものだということは間違いないかなと思っています。

最後にですが‥‥自分の体験を振り返ると、自分で立てた仮説を疑うってすごい難しいなと思うんですね。 仮説立てていく段階でプレッシャーを感じたり、その時点ではいかにも正しいように自分で資料を作ったりしているし、盲信してしまいがちです。 なので、信用できる第三者が、その情報を共有できる中にいることがすごく大事ですね。

あとは、失敗を失敗だったなと認めるのも難しいこと。 前職のリニューアルの第2弾でやったことも、今回は悪い面だけ出したんですけど、実は良い面もあって、これまであまり協業できていなかった企業さんとコラボできるようになったりだとか。 良い面に目を向ければ、それはそれで良かったのかなというのはあるんですけど、ただ悪い面もある。

自分のプライドもあるし、世間体もあるし、会社の中で「失敗しました」と言うのは勇気が要る。つまり、失敗したと認識するのは結構難しいなって思っています。 ただ、今回僕はこの発表にあたって、自分のリニューアルのやってきたこととか結果どうだったかとかを改めて洗い直したんですけど、それをやったこと自体がすごく価値があったなと。

自分がどんなことをして、どんな意思決定をしたのか、結果どうだったのかというのを知ることで、自分がここに弱点を抱えているのかとか弱いところがあるとか、逆にここは優れているとか改めて認識できました。 今日の勉強会は、皆さんに学びを得てもらおうという意図ではあるんですけど、多分僕が一番得をしたなと。

ぜひ皆さんも過去の失敗とか良かったことも冷静に振り返って頂けたらいいかなと思っています。 発表は以上です、ありがとうございました。